2015年頃から本格化したIoT(Internet of Things)は、当初、B2B(Business to Business)から始まり、2016年から2017年にかけては、パーソナライズして市場を広げている。

このIoT時代の製品・サービスの企画・開発の方法は、ピコ太郎の大ヒット曲「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」に象徴されている。この楽曲は、ちょっと悪ふざけの曲が突発的、偶発的に大ヒットしたところがあるかもれれないが、極めて画期的で示唆と隠喩に富んでいる。

すでにコモディティとなっている、ありきたりな製品やデバイスでも、IoTやAIをPPAPのように合体させてしまうと、とても斬新な新製品に生まれ変ってしまうことを暗示している。いまやIoT+ビックデータ+AI(人工知能)は三位一体となり、それによりスマート化され、インテリジェント化されたものになる。

IoTのパーソナライズ時代に、新しい製品やサービスを考えるのであれば、単純にペンとパイナップルとアップルを合体させるように、さまざまなものにインターネット接続機能やスマートフォンとの連携、AIやロボティックスを合体して発想すればいいかもしれない。

■ウクライナMevics/衣服に簡単に取り付けられて身体の状態を検知


東欧州のウクライナに本拠を置くMevics(メビックス)社は、スマートフォンにBluetooth経由で身体状態を検知して通知するIoTデバイスを開発した。製品名は社名と同じ「Mevics(メビックス)」。

カプセル型の小型デバイスと衣服に簡単につけられる磁石付きの四角いデバイスからなっている。

衣服の胸や背中に取り付けて、身体の姿勢や呼吸、心拍、血液循環、筋肉、神経の状態などを検知できる。姿勢が前かがみになったりすると、姿勢を正すように振動して知らせる。製品はスマートフォンと同期し、検知データを表示するだけでなく、アプリのバージョンアップやBluetoothによるデバイスへの新機能付加ができるようになっている。

製品の出荷は2017年8月の予定。本国のウクライナは市場が小さいため、米国と欧州市場で勝負する計画。価格は80-100ドルの予定。

Mevics社は、ウクライナのオデッサ工科大学の学生らによって設立されたスタートアップ。その技術が評価され、英国の投資会社であるUBTowerから50万ドルを調達し、さらにKickstarter(キックスターター)でも資金募集のキャンペーンをしている。

■仏Nov’in/ユーザーの転倒を検知するスマート杖
「Dring Smartcane」


仏スタートアップのNov’in(ヌビン)は、高齢者向けのスマート杖「Dring Smartcane」を、1909年創業の仏杖メーカーFayetと共同開発した。

杖には加速度センサーとジャイロスコープが組み込まれており、ユーザーの転倒や失神などの異常な身体の動きを検知・追跡できる。

GSMネットワーク(現時点)に接続でき、緊急事態が発生した場合は、その家族、介護者、看護師、緊急連絡先などが登録した電話番号にメッセージや警報を送る。介護側は、緊急信号を受けて、これから援助に向かうという信号を杖に送ることができる。

ユーザーの杖から収集されたデータは逐次サーバーへ送られ、AI(人工知能)アルゴリズムがデータを処理し、ユーザーの習慣に照らし合わせて動作を解析する。歩行パターン、活動量、疲労などを記録し、身体の状態もチェックする。

単を落としたり、落下したりした場合も想定しており、それを拾うにかかる数十秒の時間は危険と判断しない。

充電式の二個のバッテリーが内蔵され、1回充電すれば何週間にわたって使用できる。この製品は、2017年半ばに欧州で発売される予定。2018年には販売地域を拡大する計画。

■仏Sevenhugs/一台でネット家電を制御できるリモコン「Sevenhugs」

仏Sevenhugs(セブンハグズ)は、スマートリモコン「Smart Remote」を開発した。この製品は、ネットワークに接続されたテレビ、スピーカー、照明といった家庭向け電子機器にリモコンを向けるだけで、自動的に識別し、その操作画面とユーザーインタフェース(UI)を適合させ、各デバイスを操作できようにする

アプリやセンサーと連動して動作でき、特定のセンサーに特定のアプリに割り当てることもでき、リモコンをセンサーに向けるだけでアプリを起動させることが可能。センサーが動作しない場合は、メニューをスクロールしてアプリを見つけられるようにもなっている。

具体的には、蘭Philips製のLED照明、仏NestのサーモスタットやProtect(火災報知器)、米Sonosのワイヤレススピーカーなど、ネットワークにつながったデバイスをワンタッチで使えるようにする。現時点で2万5000以上の機器に対応しているという。

Smart Remoteは、本体、充電台、ルームセンサー(3つ)から構成され、壁にルームセンサーを取り付けておけば、3つのセンサーと本体に組み込まれた9軸モーショントラッキングによってリモコンが室内のどのデバイスに向けられているかを検知できる。

リモコンの大きさは135×41×9.7mm。Wi-Fi、Bluetooth、赤外線によるリモートコントロールをサポートしている。

Sevenhugsはクラウドファンディングを実施しており、2016年11月末時点で目標の5万ドルを上回る約62万ドルを集めている。早期割引価格は149ドル。出荷は2017年7月の予定。日本への送料は35ドル。